同じ飛行機、同じホテルに泊まるのに、旅行代金に違いが出るのでしょうか？何だか不思議に思いませんか？今回は、そんな謎について解き明かしてみます。
ツアーって何？個人手配って何？
そもそもツアーと個人手配は何が違うのでしょうか？ざっとお伝えします。
ツアーはいわゆるパック旅行
ツアーは、旅行会社がパンフレットを用意し、その中から選ぶものです。いわゆるパック旅行ともいいます。予め決められた航空会社、便名、ホテル、行程に従って旅行しなければなりません。初めて訪れる海外、などという場合にも安心して旅行することが可能です。一人旅でも安心ですが、追加料金が必要な場合がほとんど。
個人手配は自分で手配すること
個人手配は、自分で飛行機、ホテルなど予約し、旅行することです。国内旅行ではパック旅行ではなく自分ですることも多いでしょう。この形態を指します。自分で航空会社もホテルも決めることができますが、間違えて予約してしまうと、最悪泊まるホテルがない、飛行機に乗り遅れた、などというトラブルに遭うリスクも。
中間の存在も（ダイナミックパッケージなど）
近年では、ツアー旅行と個人手配の中間の存在のような、いわゆるダイナミックパッケージツアーというものも多く出てきています。旅行サイトから飛行機とホテル、送迎などを組み合わせます。自分で選べる自由さと無理のない旅程（飛行機の到着・出発日に合わせてホテルを予約するなど）を組むことができるのです。場合によっては個人手配より安く済むことも高くなることも。パック旅行に比べて価格が抑えられる分、サービスは薄め。
※経験談
なお、エクスペディアのダイナミックパッケージは、玄人向けだと思います（個人的印象）。私は利用したことがありませんが、パリ便に搭乗していたとき、女子2人組の旅行者（エクスペディアダイナミックパッケージ手配でスペイン旅行らしい）がCAさんに乗り換えについてどこへ行ったらよいか分からないと機内で質問していました。かなりこわくなりました、大丈夫なのかな、と（余計なお世話ながら）。
しかも同じアライアンスではない模様。おそらくJALやANAのダイナミックパッケージならば、アライアンスは同じでしょうし、乗換案内に関する情報はもらえるのでは、と思います（個人手配でも多少の記載があるので）。
ツアーと個人手配の料金が異なる理由５つ
本題に入りましょう。ざっと挙げると５つの理由があります。
１．仕組み（手間）の違い
ツアー旅行は幕の内弁当のような存在です。これに対して個人手配は、自分で料理して食事をするという捉え方です。
ツアー旅行は、多くの旅行会社の社員や提携会社の人たちが関わってひとつのツアー旅行を構成しています。どの航空会社を選ぶか、どのホテルを選ぶか、オプショナルツアーなど、予め魅力的にひとつの旅行商品として販売しているものなのです。ハワイではトロリーバスや長距離観光バスなどが利用できるようになっているのもポイントに。
海外旅行先に、現地の旅行会社の社員がおり、ツアー催行にあれこれお世話（チェックインをしてくれる、空港送迎をしてくれるなど）してくれる場合もあります。とにかく多くの人が関係しているのです。
これに対して個人手配は、ツアー会社を介しておらず、自分で予約します。航空会社やホテルなど、自分で交渉する場合も。個人手配はできないけれど、ツアー旅行も高くてどうにかしたいという人は、旅行会社を介してホテルや航空券などを手配します。このとき、手配料金がかかっていたり、通常個人で予約するよりも高めに料金が設定されていたりします。これは、旅行会社の手間がかかっているからです。
近年、大手旅行会社のJTBが旅行の相談についてタイムチャージ（相談時間ごとに料金を取る）を取りました。これは、相談だけして個人で手配する人が多くなっており、本来パックツアーを契約しようとしている顧客への時間が取れなくなることを懸念した、といわれています。
参考：https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/articles/20190424.html
もっとも、JTBの相談料金については、わずか半年の試験的運用で終了しました。
参考：https://www.jtb.co.jp/stores/pdf/sodan.pdf
２．サービスの違い
ツアーと個人手配は、サービスに違いが出ます。ツアーは、現地に係員を配置していたり、ツアーデスクがあったりして、困ったことを相談・解決してくれます。さらに、台風で飛行機が欠航になった、などのトラブルにも対応するのです。
パックツアーは、送迎も予めついており、空港についたらスーツケースを預かってくれ、勝手にホテルの部屋に届けてくれる、出発日の朝にスーツケースを回収してくれ、空港のチェックイン直前で受け取るなど、とにかく楽なことが多いのです。
個人手配は、空港からスーツケースを受け取り、ホテルまで自分で運び、チェックインしたあと部屋に入れなければ、クロークに預かってもらいます。ホテルの部屋まで自分で運びます。チェックアウト時も同様に自分で運びます。スーツケースは重いので、ホテルのカーペット環境で動かすのがとても面倒です。ベルサービスを電話で希望し、運んでもらうなどの手配が必要になります。送迎も自分で手配するか、タクシー、シャトルバスサービスなどを利用していきます。サービスは飛行機に関すること、ホテルに関すること、など付随的なものを受けることはできますが、やはりツアー旅行に比べてサービスはなしに等しくなります。
※経験談
私はツアーで旅行したとき、部屋にポット（コーヒーサーバー）が設置されていませんでした。それをツアーカウンターに伝えたところ、すぐにホテル側に電話連絡してくれました。解決しましたか？など係員の方に確認されたこともあります。このとき、ハワイ旅行２回目くらいだったので、とても助かったのを覚えています。今では、自分でハウスキーピングやフロントに部屋から電話連絡すれば、対応してくれることは理解していますが、当時はそんなものかな、と思っていたので。
３．補償（責任）の違い
ツアー旅行の場合、欠航が出た、ホテルがストライキ、ダブルブッキングなどで泊まれなくなったなどという場合、旅行会社が対応してくれます。しかし個人手配は自分でしなければなりません。
かなり不安な人は、ツアー旅行を超えて、添乗員付き海外旅行ツアーを選びます。以前添乗員付きツアーに参加したのに、空港でトラブルがあってひとりだけ置いていかれた、というニュースがありました。添乗員付きツアーはかなり高額で、安心を得たのに何故、と問題になったほどでした。
４．保証（身元保証的）の違い
旅行会社は、予めホテル側などと何室などまとまって契約しています。そのため、だいたいそのツアーに充てる部屋が決まっている感じです。さらに、ハネムーンなどの記念旅行を伝わっていることが多く、何も伝えなくても、ホテル側がサービスしてくれることも。
個人手配の場合は、個人でホテルなどを予約します。そのため、備品を壊すなどに備えて予め高額なデポジットを請求されるのが普通です。もちろん普通に利用すれば、デポジットは返金されます。
５．手配料金の違い
ツアー旅行は、何席で、何室で、など予め契約しているものを各旅行者に割当られます。そのため、航空券が販売されているのに、ツアー旅行は申し込めない、などという事態が発生するのです。
大きな契約のため、単価が安く設定されている場合が多いので、個人手配よりツアー旅行の方があれこれついているのに、キャンセル料が100％なんてことも。もっとも、プロモーション的なオプショナルツアーなどが設定されている場合、料金は安くても、自由に動ける時間が少なくなることもあります。
価格の調整などがあるため、航空会社やホテルが直前まで決まらないのがツアーです。特にハワイツアーなどは、1日に多くの便数が出ています。安いツアーの場合、ハワイ出発が早朝になって最終日何もできないなどということも。
さらに、ホテルポイントや航空会社のマイルは、ツアーでは貯まらないかかなり少なく付与されます。これは卸価格などが反映されている表れだとされています。
これに対して、個人手配は自分で予約・購入するため、便名を選んで手配します。早くから計画を立てることができるのです。ツアーで航空会社や便を選ぶには追加代金がかかる場合も。
※ツアーの裏技
JALを利用したい方はJALパック、ANAを利用したい方はANAトラベラーズの商品を選ぶようにします。最初からJALやANAで設定されているので、追加料金は必要ありません。
ワンポイントアドバイス
以下の基準で価格比較してみることをオススメします。同じ値段ならばツアー旅行の方がオススメです。なれてきたらダイナミックパッケージツアー、個人手配にするなど移行していくとよいでしょう。
利用したい航空会社はありますか？
泊まりたいホテルはありますか？
現地で何がしたいですか？
初めて行くところですか？
トラブルの際、ご自身で対応できますか？
ご自身で間違いなく手配できますか？
